忍者ブログ
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2024/09/19 04:08 |
「僕らの音楽 鬼束ちひろ」
久しぶりに鬼束の歌声を聴いた。
泣きたくなった。


活動休止していた間、彼女は歌も歌わず、作らず、ひたすら引きこもっていたと言っていた。
歌うことで救われていた彼女が。


私が鬼束を好きだったのは、彼女の歌声がどこか悲鳴を帯びているように聞こえたから。
私の心に、突き刺さってきたから。
いつも、彼女が歌っているのを見ると泣きたくなった。
胸が苦しくなった。

トーク番組や、インタビューを見ても、彼女はいつも自分を隠さず出しているようだった。
「気持ちを言葉にする」ことが、とても好きなように見えた。


その彼女が、どこにも居なかった。

一足一足、ひどく怯えたように歩き、話す声は頼りなく、泣き出しそうな声で歌う。
あれだけ感情を声に乗せていた彼女が、どこにもいなかった。
一体、彼女に何があったんだろう。
苦しめていたのは、私たちなんだろうか。


彼女の声が聴けるようになって、私はやっぱり嬉しいんだけれど。
彼女の音楽が、私の心に突き刺さるのは変わりないから。

彼女が何を想って歌っているのか。
私には想像もできないけれど。
今まで外に向かっていた歌声が、彼女の内に向かっていることだけは確かで。
外に向けて吐き出していた感情を、彼女は心の中に溜め込んで、言い聞かせているのだろうか。
どこかに向かっている歌声が、再び私たちに向けられる日は来るのだろうか。
何も写さない瞳が、再び炎に揺れることを。


祈るように歌う彼女が、どうか苦しんでいないことを願いながら。
私は、彼女の軌跡を追う。
PR

2007/06/17 22:02 | Comments(0) | TrackBack() | テレビ

トラックバック

トラックバックURL:

コメント

コメントを投稿する






Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字 (絵文字)



<<「灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークIV」  石田衣良 | HOME | スパイダーマン3>>
忍者ブログ[PR]