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2024/09/16 02:53 |
「マリーアントワネット」

中世ヨーロッパ。オーストリア皇女から、フランス王室との政略結婚でフランス王妃となった

マリーアントワネットを描いたソフィア・コッポラ監督3作目。

 とにかくきらびやか!!

私は単にこの映像が見たいがために映画館まで足を運びました。

ソフィアの最新作というのもあったし、キルスティン・ダンストが主演っていうのもあって。

前評判はあまり良くなかったので、中身はあまり期待はしてなかった。

 

 私はあまり勉強が好きではなかったし、歴史には興味があっても、何がなんだかわからなくなるので、

マリーアントワネットに対する知識というものはほとんどなく見ました。

一応、大学でフランス革命とか、その前後の授業は受けたはずなんだけれど。

おもしろいと思っても、やっぱり覚えてないのね。というかわかってなかったわけで。

だから、歴史ファンとか、マリーアントワネットファンとかが、この映画に興味持って観に行ったとしても、

私の感想とはかなりかけ離れると思います。

だって、私は正直、歴史的背景をほとんど知らないから、「それは歴史的には間違ってる」とか

私はわからない。

ということで、このことを前提に読んでいただけると嬉しいです。

 

 まず、イントロで「お?」と思う。

あー、やっぱりソフィアなんだなぁ、みたいな。

「マリーアントワネット」なんてタイトルだし、この映画の記事とか読んでも「悲劇の王妃の孤独を描いた」とか

書いてあるし、やっぱり歴史モノだよなぁと思ってた私は、そのイントロがあまりに現代的すぎて、

「やっぱりソフィアだなぁ」と思ってしまった。

そして、最後まで見た感想も、「やっぱりソフィアだなぁ」と思ってしまった。

 

まず、映像がとても素敵!

男の人は何も面白みがないと思うだろうけど、女の子が見たら誰でも目がキラキラすると思う。

お菓子や服や髪型やドレス。それに靴!

どれもがキラキラしていて、色鮮やかで、おしゃれをしたくなる。

それらを身に纏ったキルスティンが舞踏会やオペラで華やかに動く。

とってもgirlyで、とっても綺麗。

それに、実際のベルサイユ宮殿で撮影されたっていう豪華な舞台。

視覚は何もかもが素晴らしい。

 

 何も知識がない私にとっては、18世紀のフランス貴族たちはこんな生活をしていたのか?と思った。

夜遊び・二日酔い・ギャンブル・下ネタ・浮気・・・。

そら楽しい人生だわ!ってくらい、贅沢気ままな生活をしてたんだなぁと。

王妃って暇なのね、と。子供を産むだけが王妃の仕事なのか、と。

映画は、マリーアントワネットがフランスに嫁ぐところから始まるんだけれど。

政略結婚は仕方が無いし、ならば幸せを見つけようとするマリーアントワネットの純粋さや前向きさに

幼さを見るんだけど。

そんなマリーアントワネットが、フランス王室に入って、旦那には相手にしてもらえず、子供ができないのは

まるで自分のせいだと言われ、義弟夫婦に先に子供ができてしまう。

政略結婚でも希望を持って嫁いできたのに、そんな仕打ちをされたら、そら遊んで発散しようと思うわな。

夜遊びにアルコール、ギャンブルに派手な金遣い。

”最も愛され、最も憎まれた悲劇の王妃”

教科書では知ることがない、マリーアントワネットの孤独。

言葉で書いてしまえばそうなんだけれど。

これを2時間の映像にしてしまうと、なんとも陳腐というか。

「マリーアントワネットの人生ダイジェスト」という感じ。

なんだか、宮殿の中で貴族たちに見られている彼女と、信頼している(?)側近の人たちといる彼女と、

夫の前にいる彼女と、一人の彼女と。

一体どれが本当なんだ?とわからなくなる。

だから、いくら孤独を描きたかったと言われても、本当に彼女は孤独だったのかしら?と、ずっとどこに

注目していいのかわからずにラストまでいってしまう。

 

彼女の本質というか、歴史上で言われている彼女(といっても、私な彼女がとても浪費家で、フランス革命に

火をつけた人というくらいのことしかわからない。しかもそれは脚色してるのかどうかもわからない)よりも、

こっちが本当なのかもしれないと思わせるシーンはいくつかあって。

特に、プチ・トリアノンのシーンは、彼女は本当なこんな風に静かに暮らしたかったのかなぁと思った。

そうは思っても、もし本当に彼女が孤独だったというなら、かなりの人間不信かかなりの贅沢かだろう。

そういう印象しか持てなかった。

だって、あれだけ仲の良い友達がいて、あれだけ優しい夫がいて。あれだけすべてを手にしていて。

なぜ、孤独になるのか?なぜ、浮気をしたのか?じゃあなぜ、最期まで夫といたのか?友達を逃がしたのか?

私には矛盾にしか思えなかったし、どう受け取ればいいのかわからなかった。

 

 とはいえ、やっぱりソフィアの感性は好きだと思う。

最初に書いた映像の面でもそうだし、一つ一つの台詞でもそう。

”My place is King side." 

(本当にこう言ってるのかはわからない。サブタイトルでは「私は王の側にいます」でした。)

と言って、暴動を起こしている民衆に頭を下げるシーンはとても好き。

そして、宮殿から見る最後の朝日を見て、”I'm saying good bye." と言った彼女が、誕生パーティーの日に

見た朝日を思い出していたことは言うまでもなく。

ラストはとても良いと思いました。

なんというか、やっぱり「18世紀ヨーロッパ版”Lost in Translation”」という印象。

フランスで英語か、というハテナはあったけども。

「ローマの休日」もそうだったのかしら?吹き替えでしか観たことないからわからないけど。

 

 それにしても、最高にgirlyで、最高におしゃれがしたくなって、ちょっと切なくなる映画。

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2007/01/27 23:48 | Comments(0) | TrackBack() | 映画

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