一言で言わせてください。
とにかく、苦しくて見たのを後悔した。
クライマックスは、普通のヒーロー物って感じで大丈夫だったのだけれど。
最初の30分くらいは、だからなんでわざわざこんな悲しい話にしなきゃならないんだって思った。
スパイダーマン1から話はずっと続いているんだけれど、3では今まで絡まっていた糸が
ほどけたって感じかな。
私がスパイダーマン面白いなぁって思ったのは、悪人がいて、それをヒーローであるスパイダーマンが
倒してハッピーエンドっていう単純なものではなくて、そこにたくさんの欲望や葛藤や誤解や苦労や
人間味に溢れたものがいっぱいあって、そういうところがスキだったのだけれど。
なんだかもう、そこまで救いようがない話にしなくていいじゃんって、開始30分で思ったよ。
きっと私が言うほどではないんだろうけど。
私はとにかく嫌なの、苦しくなるのは。
守りたい者のために悪になるとか。
叶えられない願いのために歪んでゆくとか。
消し去れない後悔のために苦しむとか。
どうしても抗えない地位に押しつぶされるとか。
そういう、目を背けたいものがありすぎて、実際目を背けてしまった場面がいくつか。
映像はすばらしかった。
CGはもちろんだけれど、すごくカメラワークのテンポが良くて飽きない。
私はハリーが大好きで、1からずっと大好きで、病院で目が覚めたときのあの笑顔に胸キュン。
だから復讐に燃えている時も、スパイダーマンよりもハリーに肩入れ。
格好も何もかもがかっこいい。
それに比べ、ピーターは1からそんなにスキではない。
特に3では、復讐心に負けるところや黒くなって調子乗るところとか、もーダメじゃん!とか思う。
人には必ずそういうところはあるんだけれど、だからこそ見たくないというか。
たまには負けてみたら、と。
そして、私は感情移入をしすぎる。
その時々の自分の精神状態で、感情入れるところが変わってしまう。
きっと今の私は、人の醜い部分や尊い部分を見たくないんだと。
こうやって感想文を残すのも、見た時に感じることはきっと違うから、それを残しておきたくて。
とにかく今の私は、汚い自分から逃げたいんだということ。
「かっこいい自分」を脱ぎ捨てて、真のヒーローに。
なるのは意外に難しいということ。
ピーターはかっこ悪くても真のヒーローなのよ。