年に一度の学校行事「歩行祭」
1・2年生には今年最後の。
3年生には高校生活最後の一大行事。
甲田貴子は賭けに出る。
この夏、映画化もされた恩田陸の「夜のピクニック」。
一日中歩き続けるというおかしな行事。
その不思議な一日という時間の中で、生徒たちはさまざまなことを悟る。
このお話、私は映画では見ない。
やっぱり恩田陸の世界は、場面ごとに変わる登場人物たちの思考の流れがおもしろいと思うから。
これを映像で見てしまったら、ただの青春映画になってしまうと思うから。
思考がどんどん変わるたび、同じ時間を繰り返すわけだけど、その変化がすごく自然で、
あっちいったりこっちいったり、一体今はどこの話をしているの?!
っていうことがなく、軽快に読み進められる。
私も歩行祭に参加したかったなぁと思った。
高校時代の私は、ほとんど学校に参加していなかったから、もし本当に歩行祭があったら行きたくないと
仮病を使ったかもしれないけど、こんな楽しいメンバーがいたら、きっといつまでも思い出に残るんだと思う。
一生に一度の瞬間。
生きてく上で何度あるのだろうと、登場人物の一人は思うのだけど、それがすぐに去っていくことも
いつかは思い出さなくなるであろうことも知っていて、それでもその一瞬は、いつまでも覚えていたいと思うの
だろう。
なんだか、いろいろなことを考えすぎて、何を書けばいいのかわからない。
とにかく、読んだあとはすっきりするし、ラストもやっぱりよかった。
私も誰かの隣を並んで歩きたい、と思いました。
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